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2004年08月24日

 15年前の、さらに5年前。

『未来を創る大学』(慶應義塾大学出版会)が出版されました。[2004年8月20日発行:ISBN4-7664-1097-1]
このキャンパスは今年の春で開設15年。でも、当然のことながら、その前から設立準備がすすんでいたのです。同書によると、「新学部検討委員会」が発足したのは1986年。ちょうどぼくが三田で大学院に通っていた頃です。

いまでも思い出すことがあります。タバコのおつかいだったのか、書類のコピーを頼まれたのか、くわしいことは覚えていないのですが、ある日、研究室棟(“新研”)の1階にある会議室に入ったことがあります。当時は、会議室の並びに学部長室が並んでいて(いまもそうだと思います)、なんとなく近寄りがたいようなエリアだったのですが。会議室には、数名の先生がいて、なかには(ぼくの師匠をふくめ)知っている先生も何名かいました。いま思うと、それが「新学部検討委員会」のメンバーによる、インフォーマルな集まりだったようです。「これはと思う、保守的でない人々」(同書 p. 9)ばかりが、会議室にいたわけです。

何が話題だったのか、何のために集まっているのか、その時はよくわからなかったのですが、とにかく、先生がたが楽しそうだったことを記憶しています。楽しそう、などと言うと不遜な気もしますが、とにかくその印象が強かったのです。所属(学部)がちがうことは見てすぐわかったし、会議室でありながら、のびやかな空気がありました。あの楽しそうな会議で生まれたアイデアが、磨かれ、その後の長い道のりを経て、実際にカタチになったのです。15年前の、さらに5年前から「いま」を見ていたのです。キャンパスの歴史をふりかえって、“昔はよかった”という感傷にひたっているヒマはないのですが、あの楽しそうな空気は忘れないようにしたいと思います。知が立ち上がり、実体をともなうカタチで目の前に現れてゆくプロセスは、楽しいはずなのです。

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