[ 2005年02月 ]

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2005年02月17日

 そして、ブラウングレーで。

先週末、渋谷で出会いました。
ぼくは、特定の商品やサービスについて、あまりブログに書いたりしないのですが、きょうは書きますよ。ZEBRAのantique (0.7)という水性ボールペンです。インクの色も、ブルーブラックとか万年筆のインクを思わせる色がいくつもあって、太さも書き味も良くて。なかでも、ぼくはブラウングレーをえらびました。

こういうことを書くかどうか、じつは迷いました(それほど大げさなことではないのですが)。あまりひとには言わずにこのペンを使い続けたい…という気持ちもあるのです。そう、“目立たず、でも忘れられず”という実力派演歌歌手を応援するように、ひっそりとこのペンを使いたい…と思うのです。でも、だれかがこのペンの存在をブログで絶賛して、大ヒット商品になってしまうと、「あ、流行りモノを使ってるんだ」という目で見られてしまいます。そんなこと、どうだっていいんですけどね。ただでさえ、大きい文具店じゃないと扱っていないようなペンなのに、大ヒットして、品薄になるのもイヤだし。まぁそもそも、いつ頃から売られているものなのかも知らないんですけど。インディーズで活動していたお気に入りのアーチストが、急にメジャーデビューをしてしまったときのような、素直に祝福できない気持ち(わかるひとには、わかるでしょう)を味わいたくないのです。

とにかく、とても気に入ったので、ぼくが使っている…ということはここで勝手に宣言しておきます。(> Z社のマーケティング担当のかた:ウェブに書き込まれる「消費者の声」をデータマイニングしていて、万が一このエントリーを読んだら、ぼくに10年分ほどペンを送ってください。冗談です。ぃゃ、半分本気かも。)

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ここのところ、手紙ハガキが届いたりして、ちょっとうれしい気分です。数か月やってきたことに対して、とてもわかりやすいカタチで反応が返ってきているわけですから…。しかも、ひさびさにすばらしいペンに出会ったし(褒めすぎ?)。あまりにもうれしくて、みんなにハガキを書いてしまいました(BGMは、大貫妙子の新譜です)。春は、もうすぐ。

 ハガキ

またしても、感動するつながりが…。偶然なのか必然なのか、あのKさんからハガキが届きました。趣きのある文字、そして絵も。直球を投げ込まれた感じです。

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昨年秋の合宿で、落款印を彫る(ゴム板ですが)ところからはじまり、忍野村(山梨)の美術館に行ったり(実際には、雨が降っていなければ立ち寄らなかったのですが)、プログをスタートさせたり…ということで、ここ数か月は、みんながそれぞれに「絵手紙」を書いていたわけです。

先日の「フィールドワーク展」でも展示したのですが、それを見に来たSさん(2003年3月卒業)が、『男の絵手紙』という本づくりに関わっていたなんて、全然知りませんでした。Sさん経由で、ぼくたちの活動について知ったKさんが、ハガキが送ってくれた…というわけです。感動しました。

2005年02月13日

 手紙

思っていたよりもすいぶん早く、つながりました。「フィールドワーク展」が終わった翌日、大学に行くと、手紙と一冊の本が届いていました。

前略 加藤研究室の皆様
突然お便りをしたくて、失礼致します。
2005年1月大通りの向側の信用金庫を訪れた時、研究室の皆様方の写真を拝見しました。そして、タイトルの気に入ったポストカード4枚戴いて来ました。文章を読み進むうちに再に読みたくて、後日すべて1枚ずつもらって来て拝読しました。
(…以下略)
文面(「…以下略」の部分)から察すると、差出人の女性はぼくの母とおなじくらいの年齢で、「生まれも育ちも葛飾柴又」というかたです。横書き用の原稿用紙を便箋がわりに綴られていました。「タイトルが気に入ったポストカード4枚」が、だれの書いたものなのか、ちょっと気になります…。

昨年の秋におこなった葛飾柴又でのフィールドワークをまとめたポストカード。それを手にしたひとから手紙が届いたのです。25種類ほど作成したポストカードには、大学の住所だけを書き、意識的に電話番号やメールアドレス、URLを載せないないようにしておいたのですが、ちゃんと(あたりまえですが)ぼくの郵便ポストに届きました。
ぼくたちのつくったポストカードが柴又のいくつかの店に置いてあり、それを見知らぬひとが手にする…。そして、何かを感じて、ペンを走らせる。ぼくたちが展示でドタバタしている間に、柴又から藤沢へとはこばれていました。メッセージをやりとりする仕組みがちがうだけで、見知らぬひとからブログにコメントが書き込まれたり、トラックバックが送られてきたりするのと、おなじ感覚なのかもしれません。

とはいえ、やはりポストを開けるとき、あるいは封を切るときのドキドキする気持ちはとても大切です。感動しました。手紙を読み返してみると、さまざまな光景が浮かんできます。期待していたようなつながりが、まずはひとつ、生まれました。いま考えていること、実験的にすすめていることが、少し報われた気分になりました。

こんど葛飾柴又に行ったら、「大通りの向側」を訪ねてみるつもりです。

2005年02月07日

 ホライゾン(英語読み)

ちいさな作品を出展したのですが、今回は「ホライゾン(HORIZON 202)」というカメラ(これもまたロシア製のカメラです…だから発音は「ホライゾン」ではないはずです)を使ってみました。このカメラ、ちょっと変わっていて、シャッターを押すとレンズが120度ぐるりと回転するのです。レンズは28mmですが、超広角(そして、魚眼のようなディストーション)なのです。最近の名刺サイズの軽いデジカメに慣れていると、ずっしり重いし、無骨なスタイル。フィルム(ふつうの35mmを使います)の装填は難しい(というよりめんどうくさい)し、うまく水平バランスを取らないともっと歪んだ写真になってしまいます。

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それでも、このカメラで撮った写真を見ると、文字どおり視野が広がります。なんとなく、吉田初三郎(それとも立石大河亜か…)になったような、そんな気分になります。お気に入りは上から2枚目。老舗ジャズ喫茶と対面するじぶんのクルマを一枚の写真におさめることができました。ひさしぶりに使いましたが、またこれをぶら下げてまちを歩いてみようと思います。

2005年02月06日

 フィールドワーク展

2月4日(金)〜6日(日)まで、銀座のartist in「フィールドワーク展I」を開催しました。3日の搬入から、最終日の片づけまで、かなりやることが多くてぐったりとなりましたが、心地よい疲れでした。3日間でだいたい160名のひとに来ていただきました。ありがとうございました。

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記録のため、「ごあいさつ」の文章を載せておきます。

ごあいさつ

きょうは、「フィールドワーク展I」にお越しいただき、ありがとうございます。
わたしたちの「日常生活」を学問的な調査・研究の対象とするとき、成果をどのようにカタチにすればよいのか、いつも悩みます。文章で説明しようとすると、起伏のある生活が、難解な概念に変わってしまいます。アートやデザインで語るのも、そう簡単なことではありません。身近で、微力ながらも社会を変えてゆくような学問を拓くこと。それが、大きな課題です。まだまだ答えは見つかっていないのですが、虫カゴと網を持って走り回った、あの頃の気持ちが必要なことだけはまちがいないでしょう。じっくり、ゆっくり、やるのです。

展示は、大きく3つのパートで構成されています。
まず最初の15個の箱たちは、昨年秋からすすめてきた桜木町(横浜市)でのフィールドワークの成果をまとめたものです。それぞれが、それぞれのフットワークと想像力で、まちの欠片を採集しました。つづく6点は、この春卒業予定の4年生の作品です。最終的には、論文や冊子のカタチでまとめられることになりますが、ここではそのエッセンスを凝縮して展示しました。一部については、ワークショップとしてご紹介する予定です。そして最後は、わたしたちが日ごろ綴っている「ふだん記」の展示です。ハガキは、フィールドノートであると同時に、調査者としてのじぶんをふりかえるための素材になります。オリジナルの落款印を彫れば、あなたもきょうから仲間入りです。

今回は縁あって、銀座での展示となりました。ちょうど80年前(1925年)、ここからほど近い中央通りで、今和次郎たちが「東京銀座街風俗記録」をおこなっていたことを想うと、ちょっと愉快な気分になります。フィールドワークの大先輩たちに敬意を表しつつ、わたしたちなりの「考現学」の方法と成果を紹介することができればと思います。じっくり、ゆっくり、ご覧ください。
2005年 立春