ちょうど10年前、七尾(石川県)で「まちづくりワークショップ」に関わる機会がありました。アメリカから、ヘンリー・サノフ氏を招いてのワークショップです。七尾湾に面する緑地(当時はまだ埋め立て工事の前)をどのようにデザインするかというテーマで、ぼくは、スタッフなのか通訳なのか、よくわからない身分(じぶんで言うのも変ですが)で参加しました。大学院生のときに、都市開発ゲームのスタッフやファシリテーターを経験していたので、それなりに、ワークショップという方法や意味については理解していたつもりですが、ちょっと〈居場所〉のなさを感じつつ仕事をした記憶があります。
あれからほぼ10年後、3月16日(木)、七尾に行ってきました。フィールド調査の打ち合わせ、という目的はあったのですが、じつは、ぼくにとってはちょっとばかり感傷的な理由がありました。ここ数年、「まちづくり」という文脈で、じぶんの調査について語ることがあるので、その意味をもう一度考えてみたい…。そして、10年という時間の長さ/短さを、じっさいにまちの変化を見ることで感じてみようと思ったのです。
あいにくの雨でしたが、10年前のワークショップのときに知り合ったM山さんにひさしぶりに会って、話を聞いたり、まちを案内してもらったり、充実した時間を過ごしました。それについてはべつのエントリーで書きます。

【左:1996年5月26日 / 右:2006年3月16日】
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雨のなか、海に向かって歩いてみました。もちろん、当時、まだ埋め立て予定だったところは、公園に姿を変えていました。「あのころの未来」は、確実にカタチになって、目の前にありました。でも、すぐ隣の、ワークショップを実施した「モントレー広場」に行くと、ほとんど変わっていない。10年間でまちは変わり、それでも変わらない。ちょっと不思議な気持ちになりました。いろいろなアプローチで、調査・研究をすすめているとはいえ、こうしてふり返ってみると、じぶんが関心をもっているテーマには、(意外に?)一貫性があるということにも、あらためて気づきました。
10年前の写真を掘り出して、並べてみました。当時は、まだデジカメを持っていなかったので(※ちなみに、あのQV-10が発売されたのは1995年3月です)、35mmのコンパクトカメラ(※パノラマ機能のついたリコーのR1というカメラ)で撮りました。「あのころ」の体験が、あまり色褪せた感じがしない分だけ、デジカメのくっきり感が際立ちます。鮮やかでシャープなデジカメの写真を見慣れてしまったことで、ぼくたちの“眼力”が鈍ってしまうような気さえしました。
10年間という年月はとても長く、そして、とても短い。「まちづくり」ということばは、大切に丁寧に使わなくてならないな…と感じました。