スライドショー
もう、あれから10日以上も経ってしまいました。少しばかり時間を巻きもどして…。
3月20日(月)は、卒業生の送別会、いわゆる「追いコン」が開かれました。これまでの活動をふり返るスライドショーと、(後輩から卒業生への)手紙のプレゼント(朗読付き)。素朴ながら、スライドショーって、泣けてきますね。昔の写真から、順番に、“いま”に向かって写真が流れます。笑っちゃう写真もたくさん出てくるのに、“いま”に近づくにつれて、ちょっと悲しくなります。
【2006年3月20日:PEACE Cafe(山下町)にて】
学部を卒業するとき、ゼミの先生から文庫本をいただきました。先生が、ゼミ生ひとりひとりに順番に本を渡していく、ちょっとした“儀式”のような時間がとても好きでした。当時、ぼくは、『広野から』(川田順造)を手渡されたのですが、いまさらながら、先生がぼくの興味のありかも、行方も、きちんと見ていたことに感動します。もちろん、先生にはあれからずっとお世話になっています。師には遠くおよびませんが、その“儀式”は形だけでも受け継いで、卒業生には、毎年、本を贈ることにしています。
19日の晩、ぼくは本屋に出かけました。
卒業生の顔を、ひとりひとり思い浮かべながら、本をえらびます。贈る本が「当たり」なのか「はずれ」なのかはわかりませんが、少なくとも、じぶんなりに納得できる本が見つかるまで書架の前を行き来します。他愛のない会話も、研究室の光景も、フィールドワークの疲れも、いろいろな出来事がよみがえります。そう、本屋をウロウロしているうちに、不意にスライドショーがはじまってしまい、やるせない気持ちになるのです。
どんなに忙しくなっても、「追いコン」の季節には、本を買うためだけに出かけたいと思います。それを毎年くり返すことが、仕事なのです。そして、本屋での愉しくて哀しいひとときは、もしかすると、ぼくだけが独占できる、とても大切な時間なのかもしれない…などと思ったりします。
傍らでは、まだ写真が流れていたような記憶があるのですが、ひとりひとりに本を手渡すという“儀式”のおかげで、スライドショーが終わったのかどうか、“いま”に時間が戻ったのかどうか、わかりませんでした。
※毎年、どういう本を買ったのか覚えておこうと思いながら、忘れてしまうのですが、今年は記録しました。なんか、バラバラですね。
- 串田孫一『文房具56話』ちくま文庫
- 小林信彦『和菓子屋の息子:ある自伝的試み』新潮文庫
- 乃南アサ『死んでも忘れない』新潮文庫
- 瀬戸山玄『東京ゴミ袋』ちくま文庫
- 初田亨『百貨店の誕生』ちくま学芸文庫
- 幸田文『回転どあ・東京と大阪と』講談社文芸文庫
- 司馬遼太郎『峠(上)』新潮文庫
- 沢木耕太郎『敗れざる者たち』文春文庫
- なぎら健壱『東京昭和30年 下町小僧』ちくま文庫
- 柴崎友香『次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?』河出文庫
- 梅田卓夫『文章表現 四〇〇字からのレッスン』ちくま学芸文庫
- ユクスキュル『生物から見た世界』岩波文庫
- 川本三郎『私の東京町歩き』ちくま文庫

コメント
なんかこう、本を並べられると、
誰にどれを渡したのか気になっちゃいます。
ばむびの岩波とがとりさんの400字しか覚えてない。。
Posted by: しゅんこ | 2006年04月07日 01:06