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2006年06月14日

 ビルの谷間

ちょうど1週間ほど前のこと。高校時代からの友だちふたりと、ひさしぶりに会いました。はじめて行った店だったのですが、カウンター席に座ると、目の前にはたくさんボトルが並んでいて、横長の窓の外には、夜景が見えます。何かと「お騒がせ」な高層ビルが正面に、そしてちょっと右に目をやると、「ミッドタウン」のビルが見えます。6階にある店の窓から、前を遮られることなく眺める六本木は、ちょっと新鮮でした。

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【2006年6月8日(木):麻布十番】

ぼくが店に着いたのが遅かったので、ほどなく午前零時を過ぎました。それでも、目の前の大きなビルの電気は消えることがありませんでした。まるで、某キャンパスのようです。闇を照らす技術や道具のおかげで、ぼくたちは陽が沈んだあとの時間を使うことができるようになりました(仕事をするか、バーで飲むかは大きなちがいですが)。

ヴェルベデールなどというウォッカを飲みながら、ふとエレベーターのことを考えました。最近、恐ろしい事故があったばかりです。そう、人やモノを上下させる仕組みによって、ぼくたちは高層階での暮らしを獲得したのです。目の前に見えるビルは、高さが200メートル以上はあるはずです。
あとで調べてみたら、あのオーチスが、ニューヨークのクリスタルパレスで落下防止装置のお披露目をしたのが1854年。日本はまだ江戸時代。それから150年のあいだに、エレベーターが都市の風景を変えてきたのです。建築の技術や工法はもちろんのこと、オフィスや住居として、ぼくたちが上に向かうためにはエレベーターが不可欠です。あたりまえになりすぎて、ふだんは考えたりしないのですが…。

高層階から東京の美しい夜景を見下ろすという体験は、エレベーターがなければ実現しなかったということになります。そしてまた、地上200メートルのオフィスの灯を見上げながら飲むのも、エレベーターがあってこそなのです。「お騒がせ」なビルも、すでに3年。ひとつのランドマークになったことは間違いないようです。

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