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ミルクティー
渋谷のまちにはめずらしく、30年近く続いている店があります。ぼくが大学生の頃から、内装も、家具も、メニューも、ほとんど変わらぬままです(さすがに値段は上がっているはずですが)。学生から、「ちょっと相談したいことがある」という連絡があり、ちょうど渋谷に用事がある日だったので、その店に行って話すことにしました。じつは、10数年ぶりに訪れるというようなことでもなく、ふと立ち寄ることは何度かあったのですが、渋谷のあたりだと、急に駐車場になったり、テナントが変わっていたりすることがあります。でも、その店はいまなお健在。ガリガリと、氷を砕く音が響きます。
さて、この時期の「相談」なので、「ゼミを辞めたい」などと言い出すのではないかと、じつはドキドキしていたのですが、そんなことはなく、ごくごくマジメな「相談」でした。ついこの間、展示会が終わって、そのあとちょっとした放心状態になって、落ち着いたので、これからどうやっていくかを考えている…という話でした。「なんだ、すごくふつうの相談だったのか」と、驚くとともに、他の学生もこんなふうに考えていてくれたらいいのに…などと感じました。
正しく言うと、みんなも考えているのだと思います。そのはずです。それが、数回のメールのやりとりで、ミルクティーをはさんだおしゃべりになるのか、音信不通のまま春になるのか。ちょっとした「きっかけ」をつくるかどうかのちがいだけなのでしょう。でも、ミルクティーと音信不通は大ちがいです。
雪にはならなかったものの、外は冷たい雨が降っていたので、腰が重くて、ついつい長いあいだ、話しこんでしまいました。おかげで、来学期について考えていることも、ずいぶん整理できました。ひとに話すと、けっきょくはじぶんのアタマがすっきりするものです。暖かくなったら、折りたたみのイスでも持ってどこかに出かけて、いろいろと話をしていれば、すぐに、創造的な「場所」ができあがるはずです。ゼミというのは、そもそも、そんなものではないかと思います。
ぼくにとって、学生と話をするひとときは、アイデアの源泉なのだと、あらためて感じました。この仕事をしていてよかったな、と思わせてくれる「贅沢な時間」でした。
郵便屋さんの歩数を計ってみる。(その2)
さて、第2回目の実験です。前回の実験では、郵便屋さんが「あまり歩かなかった」ことがちょっと意外でした。また、思いがけず何人かのひとから面白いね、というコメントをいただいたので、実験(と呼ぶほどのものではありません)の精度を確かめるため、もう一度、自分宛てに歩数計を送ってみました。
(1) 投函:2008年2月5日(火)9:35ごろ。
前回より、やや早めの時刻です。今回も、デジタル歩数計をエアキャップで簡単に梱包して茶封筒に入れ、うちから一番近いポストに、投函しました。※PCの前(自宅)〜ポストまでが148歩なので、149歩めからは、ぼく以外の誰かが、ちいさな茶封筒とともに移動した歩数になります。
(2) 回収:2008年2月6日(水)18:40ごろ。
包みが届いて(戻って)いました。それを、ふたたびPCの前まではこびます。※ちなみに、うちのマンションのポストから、PCの前までが61歩です。
(3) 結果:茶封筒(郵便屋さん)は、何歩歩いたか。
デジタル歩数計を取り出して、歩数の記録を確認すると、以下のような結果でした(すべて、ぼく自身の歩数を引いた数字です)。
5日(火):73歩
6日(水):112歩
今回の茶封筒(前回と同じ規格・形状)は、火曜日に73歩分移動して、翌日になって、112歩分移動しました。2日間で、185歩。やはり、あまり歩かないようです。考えてみれば、集配のちいさなトラックはポストのすぐ脇に停まり、そのまま郵便局へ。仕分けの作業も、きっとかなり効率化されているはずです。配達も、うちのマンションはバイクで来るので、歩くのは、バイクから降りて、ポストのあるところまでのわずかな歩数です。最近、大きなバッグを持って歩いている、郵便屋さんの姿を見かけないことに、あらためて気づきました。たとえば『山の郵便配達』の世界だったら、数万歩の記録が残っていて、ひどく感動するはずです。まぁ、あたりまえですが、事情は、ずいぶんちがいます。
終わり。(今後も、郵便屋さんの歩数計測の実験を続けます。お楽しみに。)
1年後に向けて
今年の「フィールドワーク展」も、無事に終了しました。
ちょっとわかりにくい場所でしたが(さらに3日は朝から雪が降っていました)、お越しいただいた皆さま、ありがとうございました。また来年の今ごろに、成果報告をしたいと思います。
やはり、毎年続けてきたこともあってか、展示そのもののクオリティは徐々に上がってきていることを実感しました。OB/OGの参加も、よい刺激になります。忙しいなか、有給を取ったりしつつ、元気に参加してくれるのは、うれしいものです。
撤収のあと、打ち上げの会場で今回の各賞を発表しました。「フィールドワーク賞」(よく歩きました!)、「アイデア賞」(よく考えました!)、そして「EXPOP賞」(よくがんばりました!)の3賞です。受賞者の皆さま、おめでとうございます。少しずつですが、賞品はグレードアップしています。ひと息したら、1年後に向けて、フィールドワークを再開しましょう。ひとつひとつの作品についての講評(OB展は除く)は、別途まとめるつもりです。
「ちょっと見てきて」もらいました。
「ちょっと見てきて」という、とてもおもしろいサイトがあります。
「学生時代に住んでいたアパートは、どうなっているだろう」「あの店、まだあるかな」というような、日ごろふと考えたりすることを、「ちょっと見てきて」もらうという仕組みです。忙しかったり、距離が離れていたりするので、その確認を、「見知らぬ誰か」に代行してもらうのです。
試しに、一昨年の冬に坂出(香川県)にフィールドワークに出かけたときのことを思い出しつつ、「ちょっと見てきて」をお願いしてみました。場所についての情報を地図で大まかに指定して、文章を綴り、あとは、誰かが見てきてくれるのを待ちます。(写真は2006年12月10日に坂出で撮影)
2006年の12月、坂出に行きました。商店街の(たしか)サンロードという通りに、「みなとステーション」というちいさな空間がありました。誰もが休憩できる応接間のようになっていて、本がたくさん並んでいます。なぜか、とても不思議な魅力があり、しばらく本を眺めたりしていました。書架に、写真が1枚も貼っていないアルバムがあったので、芳名帳のようなつもりで、そのときの写真を貼り付けて帰ってきました。 まだ、あのアルバムはあるんでしょうか?ぼくが貼った写真は?そもそも、あの“みんなの広場”はどうなっていますか? 「ちょっと見てきて」いただけるとうれしいです! よろしくお願いします(東京在住)。
「ちょっと見てきて」のポイントは、タダだということ。タダだから、本当に見てきてもらえるという保証はありません。書き込みが誰かの目にとまるかどうかさえわからないので、「ダメもと」。あまり、期待しないで待ってみます。それでも、おもしろいことに、数日後には「見知らぬ誰か」が「見てきた!」という記事を載せてくれるのです。
そもそも、「ちょっと見てきて」と頼んだり、頼まれたりすることは、タダでいいはずです。もちろん、他愛のないことだからこそ、ひとは素直に頼んだり、頼まれたりするのかもしれません。ここに、ささやかながら、とても大切なものを感じます。大げさなことをしなくても、みんなが、お互いに「ちょっと」からはじめれば、「もっと」いろいろなことができるはずです。その「ちょっと」ができるかどうかが、いま問われているような気がします。
・ちょっと見てきて http://portal.nifty.com/mitekite/index.htm
・ぼくの書き込み http://portal.nifty.com/cs/mitekite/detail/080124053596/1.htm
