あれから、ずいぶん時間がたちました。大学生のころに一度訪れた記憶があるのですが、もしそれが思い込みだったとしたら、じつに25年近くが過ぎ去ったということになります。池袋から志木への道のりは、当時よりもはるかに短く感じました。当然のことながら、駅前はすっかり変わっていました(スタバもあった!)。でも、歩いているうちに、およそ四半世紀前に、ごく自然に戻ってしまいました。大きなマンションはそのままだし、その脇にある毎日歩いていた細い道も、そのまま。ゆるやかなスロープと、その脇にある柿の木。たくさん実をつけていました。あのころから、変わらない“シキガキ”(=志木餓鬼)なのです。

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【左:しき / 中:この道も、/ 右:この風景もあのころのままです】

生徒たちは、ぼくの話をあまりちゃんと聞いていなかったのかもしれません。朝は早かったし、ちょっと暗めのホールのイスは眠気を誘います。しかも、難しい話はしない…などと言いながら、高校生にはピンと来ない内容だったのかもしれません。でも、それでもいい…と思います。すぐにわかることばかりではなく、ゆっくりと時間をかけてこそ理解されることがらが、たくさんあるからです(まさに、それが話のテーマだったのですが)。そして、そのことに気づくのにも時間がかかるわけで。

ふだんの授業とはちがう、不思議な感覚で1時間ほど講演しました(※)。大学で、授業中の私語には慣れているはずなのに、なぜか高校生の私語はすごく気になりました。でもそれは、彼らのおしゃべりではなく、あのころのぼくにイライラした…のかもしれません。ぼくも、高校生のときは、講演者の話も聞かずに友だちとおしゃべりをしていたはずです。ひとりの志木ガキだったのですから。25年ぶりに訪れた場所で、高校生のじぶんに会ったようで、ちょっと感傷的になりつつ、東上線に揺られました(車両は当時からは考えられないほど“近代的”です)。
母校に講演に行く…という単純な話ではなく、とても不思議な気分になって、どういうわけかぐったりと疲れてしまった一日でした。あのような話で、きちんと役割を果たせたのかどうか自信はないのですが、それよりも、あのころのガキと、いまのガキたちとの出会いが実現したことに感謝したいと思います。ありがとうございました。

※2005年12月17日(金)「志木演説会」(志木市民会館ホールにて)

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