• 2007-02-11 07:11:20
  • おもしろい…の先にあるもの
2月9日(金)は、SXF@Aのトーク・イン「コミュニティに根ざした情報デザイン」に参加しました。プログラムとしては、17:00〜20:30という長丁場だったのですが、おもしろくて、あっという間に時間が過ぎました。魅力的な実践をしているひとがたくさんいるものだ…とあらためて感心するとともに、じぶんたちの活動をひとに聞いてもらうのは、本当に大切なことだと実感しました。後半のワークショップも愉しかったし、偶然?にも、ポッドウォークの先駆者であるKさんにも会えたし…。とても刺激的な晩でした。

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※クリックすると拡大されます。

セッションでは、2004年の秋に柴又ではじまった一連の調査の流れを、「リサーチ・キャラバン(旅する調査団)」と「ちいさなメディア(はなしの種)」ということばで整理してみました(図:当日つかったスライドから)。「フィールドワーク」という方法は、地域/コミュニティを知るだけではなく、結局のところ、ひととの関係性をはぐくむというコミュニケーションの問題として理解されることが重要です。そして、じぶんを取りまく環境が、(いろいろな意味で)「不完全」だという認識が、旅への欲求になり、ひとに会うための動機づけになるのです。
あたらしい地域を訪れながら、じぶんの経験として語れる地域/コミュニティを増やすこと(=拡げてゆくこと)と、地域/コミュニティで見たこと・感じたことを何らかのかたちで記録し、その記録を流通可能なかたちにしながら、地域に暮らすひとびととの関係性をはぐくむこと(=深めてゆくこと)を、バランスよくすすめることが大きな課題となります。幸いなことに、ひとを介して、「キャラバン」は続いていきそうに思えるし、フィールドワークのたびにつくるポストカードは、種類も数も増えてきて、ようやく本格的にその使い方を考えるフェーズに入りました。まだまだ、これから…。

「キャラバン」はおもしろい。よそ者の視点は重要だ。ポストカードのように手触り感のあるメディアは捨てがたい。…問題は、その先です。たとえば、ぼくたちの柴又での活動が、まちを変えたのか。ひとびとに響くものがあったのか。そのあたりは、いつも考えさせられます。ぼくたちが「設計図」を描いているのであれば、コンペに勝つとか、あるいは目に見えるかたちでまちが変わるとか、「成果」はわかりやすい評価が可能です。もし仮に、ひとびとの意識やものの見方に何らかの影響をあたえたとしても、それをとらえることは容易ではありません。言うまでもなく、〈刺激=反応〉という図式で考える性質のものではないからです。

「おもしろいね…」という素朴な反応はあっても、それが、まちにとって、地域/コミュニティにとって、意味や必要があるのかという問いには、どうしてもナイーブなこたえになりがちです。フロアには、ぼくたちが調査をはじめたのと、ほぼ時期を同じくして、柴又のプランニングに関わったTさんがいました。コメントをいただき、さらに話をしているうちに、ぼくたちの「キャラバン」が、多少は柴又のひとびとに影響をあたえているのではないか…ということが、少し具体的にわかりました。厳密な意味での因果関係などはわからないのですが、学生たちの撮った写真、綴った文章が、何かに気づくヒントになっているようです。とにかく、同じ現場に関わったひとの口から、そういう話を聞くことができたのがよかった…。ぼくたちの活動は、即効薬ではなく、ちょっとした健康法のようなものなのかもしれません。続けていると、じわじわと効いてきて、少しだけ身体が軽くなるような…。

後半、ワークショップの際にご一緒した、Yさんのセンスや実践にも頭が下がります。やはり、冊子でもポストカードでも、ていねいに実践の記録として残してゆくことが大切なのだとあらためて思いました。旅をする理由にも、おみやげにもなります。実現の方法は多彩ですが、おなじ方向を向いているひとが、ほかにもたくさんいることが確認できて、勇気づけられました。おもしろい…の先は、きちんと考えなければならないのですが、おもしろい…それ自体を継続させることにも、それなりの創意工夫が求められますね。
(いやぁ、愉しかったので、ついついたくさん書いてしまいました。)

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