またしても、感動するつながりが…。偶然なのか必然なのか、あのKさんからハガキが届きました。趣きのある文字、そして絵も。直球を投げ込まれた感じです。

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昨年秋の合宿で、落款印を彫る(ゴム板ですが)ところからはじまり、忍野村(山梨)の美術館に行ったり(実際には、雨が降っていなければ立ち寄らなかったのですが)、プログをスタートさせたり…ということで、ここ数か月は、みんながそれぞれに「絵手紙」を書いていたわけです。

先日の「フィールドワーク展」でも展示したのですが、それを見に来たSさん(2003年3月卒業)が、『男の絵手紙』という本づくりに関わっていたなんて、全然知りませんでした。Sさん経由で、ぼくたちの活動について知ったKさんが、ハガキが送ってくれた…というわけです。感動しました。

思っていたよりもすいぶん早く、つながりました。「フィールドワーク展」が終わった翌日、大学に行くと、手紙と一冊の本が届いていました。
前略 加藤研究室の皆様
突然お便りをしたくて、失礼致します。
2005年1月大通りの向側の信用金庫を訪れた時、研究室の皆様方の写真を拝見しました。そして、タイトルの気に入ったポストカード4枚戴いて来ました。文章を読み進むうちに再に読みたくて、後日すべて1枚ずつもらって来て拝読しました。
(…以下略)
文面(「…以下略」の部分)から察すると、差出人の女性はぼくの母とおなじくらいの年齢で、「生まれも育ちも葛飾柴又」というかたです。横書き用の原稿用紙を便箋がわりに綴られていました。「タイトルが気に入ったポストカード4枚」が、だれの書いたものなのか、ちょっと気になります…。

昨年の秋におこなった葛飾柴又でのフィールドワークをまとめたポストカード。それを手にしたひとから手紙が届いたのです。25種類ほど作成したポストカードには、大学の住所だけを書き、意識的に電話番号やメールアドレス、URLを載せないないようにしておいたのですが、ちゃんと(あたりまえですが)ぼくの郵便ポストに届きました。
ぼくたちのつくったポストカードが柴又のいくつかの店に置いてあり、それを見知らぬひとが手にする…。そして、何かを感じて、ペンを走らせる。ぼくたちが展示でドタバタしている間に、柴又から藤沢へとはこばれていました。メッセージをやりとりする仕組みがちがうだけで、見知らぬひとからブログにコメントが書き込まれたり、トラックバックが送られてきたりするのと、おなじ感覚なのかもしれません。

とはいえ、やはりポストを開けるとき、あるいは封を切るときのドキドキする気持ちはとても大切です。感動しました。手紙を読み返してみると、さまざまな光景が浮かんできます。期待していたようなつながりが、まずはひとつ、生まれました。いま考えていること、実験的にすすめていることが、少し報われた気分になりました。

こんど葛飾柴又に行ったら、「大通りの向側」を訪ねてみるつもりです。

  • 2005-02-07 22:44:46
  • ホライゾン(英語読み)
ちいさな作品を出展したのですが、今回は「ホライゾン(HORIZON 202)」というカメラ(これもまたロシア製のカメラです…だから発音は「ホライゾン」ではないはずです)を使ってみました。このカメラ、ちょっと変わっていて、シャッターを押すとレンズが120度ぐるりと回転するのです。レンズは28mmですが、超広角(そして、魚眼のようなディストーション)なのです。最近の名刺サイズの軽いデジカメに慣れていると、ずっしり重いし、無骨なスタイル。フィルム(ふつうの35mmを使います)の装填は難しい(というよりめんどうくさい)し、うまく水平バランスを取らないともっと歪んだ写真になってしまいます。

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それでも、このカメラで撮った写真を見ると、文字どおり視野が広がります。なんとなく、吉田初三郎(それとも立石大河亜か…)になったような、そんな気分になります。お気に入りは上から2枚目。老舗ジャズ喫茶と対面するじぶんのクルマを一枚の写真におさめることができました。ひさしぶりに使いましたが、またこれをぶら下げてまちを歩いてみようと思います。


  • 2005-02-06 23:56:18
  • フィールドワーク展
2月4日(金)〜6日(日)まで、銀座のartist in「フィールドワーク展I」を開催しました。3日の搬入から、最終日の片づけまで、かなりやることが多くてぐったりとなりましたが、心地よい疲れでした。3日間でだいたい160名のひとに来ていただきました。ありがとうございました。

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記録のため、「ごあいさつ」の文章を載せておきます。
ごあいさつ

きょうは、「フィールドワーク展I」にお越しいただき、ありがとうございます。
わたしたちの「日常生活」を学問的な調査・研究の対象とするとき、成果をどのようにカタチにすればよいのか、いつも悩みます。文章で説明しようとすると、起伏のある生活が、難解な概念に変わってしまいます。アートやデザインで語るのも、そう簡単なことではありません。身近で、微力ながらも社会を変えてゆくような学問を拓くこと。それが、大きな課題です。まだまだ答えは見つかっていないのですが、虫カゴと網を持って走り回った、あの頃の気持ちが必要なことだけはまちがいないでしょう。じっくり、ゆっくり、やるのです。

展示は、大きく3つのパートで構成されています。
まず最初の15個の箱たちは、昨年秋からすすめてきた桜木町(横浜市)でのフィールドワークの成果をまとめたものです。それぞれが、それぞれのフットワークと想像力で、まちの欠片を採集しました。つづく6点は、この春卒業予定の4年生の作品です。最終的には、論文や冊子のカタチでまとめられることになりますが、ここではそのエッセンスを凝縮して展示しました。一部については、ワークショップとしてご紹介する予定です。そして最後は、わたしたちが日ごろ綴っている「ふだん記」の展示です。ハガキは、フィールドノートであると同時に、調査者としてのじぶんをふりかえるための素材になります。オリジナルの落款印を彫れば、あなたもきょうから仲間入りです。

今回は縁あって、銀座での展示となりました。ちょうど80年前(1925年)、ここからほど近い中央通りで、今和次郎たちが「東京銀座街風俗記録」をおこなっていたことを想うと、ちょっと愉快な気分になります。フィールドワークの大先輩たちに敬意を表しつつ、わたしたちなりの「考現学」の方法と成果を紹介することができればと思います。じっくり、ゆっくり、ご覧ください。
2005年 立春


某日。例の店に潜入してきました。以下、報告です。ポイントは味だと思うのですが、まずは店から。場所は、ぼくが学生のころからある、謎の「社交場」のほぼ向かい側の地下です。ややわかりにくい場所ですが、午後1時半ごろ発見、潜入しました。
店はそれほど広くはなく、だいたい40席くらいで、こぢんまりとした感じです。遅めのランチタイムでしたが、テーブル席はほぼ満席。雰囲気は、「まぁいいんじゃないの?」という感じです。地下で窓のない店なので、窓が多くて明るい雰囲気だと、だいぶちがうでしょう。

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店員の応対もよいと思います。とくに印象に残るホスピタリティではありませんが、きちんとやることはやっているという印象(まぁそれさえあればじゅうぶんです)。
オーダーしたのはランチセット(1000円)で、サラダをひとつ選び、パスタを6〜7種類のうちから選ぶというもの。ドリンク付きです。オーダーしてから数分後にスープが出てきて、それを食べ終わったころにサラダが運ばれ、サラダが終わったらパスタ。客の食べるスピードを見つつ、「待っている」感を持たせずに運ばれてきました。これは好印象。(まぁ40席くらいの店なら当然かな?)

さて、ここまで長くなりましたが、味について。結論から言うと「オーケー」です。値段的にはファミレスのランチよりちょっと高めのものを食べてみたわけですが、ちゃんとしていました。とにかく1000円ですから、それほどのものは要求できないかもしれませんが、ランチとしてはよいと思います。パスタなどはチョイスが多いので、個人的にはそれほど飽きることなく通えるかもしれません。すごく得をした、とか、隠れた名店を見つけた!という感じはしませんが、よいと思います。夜は、5000〜6000円のコースメニューもあるようで、そちらのほうの「実力」はわかりません。食後のコーヒーを飲んで、だいたい45分くらいでランチを終えました。クーポンは「ランチタイム不可」だったので、自腹でミッション完了。

これ、遊びぢゃなくて、仕事なんです。

昨年の秋、師匠が引越しをしました。30数年間暮らしたという一戸建てから、初めてのマンション生活です。やはり、「捨てる」ことはかなり難しかったようです。30数年間で、家の中に増えてゆくモノがどのくらいあるのか、引越しの大変さは容易に想像できます。とりわけ、大学で教えることを生業としていると、本が増えます。家に持ち帰るのは数冊ずつでも、それが毎日の生活なのですから、相当な分量になるはずです。それでも、引越しにあたって、本もふくめてかなり多くのモノを処分したとのことです。

ぼく自身は、あらためて数えてみると、生まれてからこれまで13回くらいは引越しをしてきました。引越しのたびにいろいろなモノを捨て、でもあたらしい場所でまたモノが増えて…という繰り返しです。いざ「捨てる」となると、また必要になるかもしれない…とか、これは思い出ぶかいモノだから…とか、いろいろな理屈をつけてはあたらしい段ボール箱が増えてしまうのが実情です。引越しが多いと、じぶんにとって本当に必要なモノがわかるので、よりシンプルな生活スタイルになる、などと言うひともいますが、ぼくにはムリのようです。むしろ、引越しのたびに一緒に移動しているモノたちには、より愛着がわいているようにさえ感じます。

書斎には、いずれ手をつけようと思って、まとめられている本や資料もあります。つまりそれは、これからの活動のための“まとまり”です。話によると、引越しの際には、こうした“まとまり”もいくつか処分したそうです。物理的なスペースがかぎられているとはいえ、これには少々驚きました。なぜならば、それは「未来を捨てる」ことだからです。ぼくの書斎にも未来のための“まとまり”(=これから読まなければならない本・読みたい本の束です)がいくつかありますが、それを捨てるなどということは、いまはできません。かなりの勇気(と達観)を必要とする決断です。年を重ねてこそ、また大きなしごとを成し遂げてこそ可能になるようにも思えます。

おそらく、(モノとしての)過去を、あるいは未来を捨てたとしても、それが失われることにはならないのでしょう。「失う」のではなく「書き換えられる」ということなのかもしれませんね。モノを捨てて、過去や未来を「書き換える」ことによってのみ実感できる現在(いま)がある…。そんなことを考えつつ、無事に新年を迎えました。早々に、部屋を片づけてみます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

あれから、ずいぶん時間がたちました。大学生のころに一度訪れた記憶があるのですが、もしそれが思い込みだったとしたら、じつに25年近くが過ぎ去ったということになります。池袋から志木への道のりは、当時よりもはるかに短く感じました。当然のことながら、駅前はすっかり変わっていました(スタバもあった!)。でも、歩いているうちに、およそ四半世紀前に、ごく自然に戻ってしまいました。大きなマンションはそのままだし、その脇にある毎日歩いていた細い道も、そのまま。ゆるやかなスロープと、その脇にある柿の木。たくさん実をつけていました。あのころから、変わらない“シキガキ”(=志木餓鬼)なのです。

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【左:しき / 中:この道も、/ 右:この風景もあのころのままです】

生徒たちは、ぼくの話をあまりちゃんと聞いていなかったのかもしれません。朝は早かったし、ちょっと暗めのホールのイスは眠気を誘います。しかも、難しい話はしない…などと言いながら、高校生にはピンと来ない内容だったのかもしれません。でも、それでもいい…と思います。すぐにわかることばかりではなく、ゆっくりと時間をかけてこそ理解されることがらが、たくさんあるからです(まさに、それが話のテーマだったのですが)。そして、そのことに気づくのにも時間がかかるわけで。

ふだんの授業とはちがう、不思議な感覚で1時間ほど講演しました(※)。大学で、授業中の私語には慣れているはずなのに、なぜか高校生の私語はすごく気になりました。でもそれは、彼らのおしゃべりではなく、あのころのぼくにイライラした…のかもしれません。ぼくも、高校生のときは、講演者の話も聞かずに友だちとおしゃべりをしていたはずです。ひとりの志木ガキだったのですから。25年ぶりに訪れた場所で、高校生のじぶんに会ったようで、ちょっと感傷的になりつつ、東上線に揺られました(車両は当時からは考えられないほど“近代的”です)。
母校に講演に行く…という単純な話ではなく、とても不思議な気分になって、どういうわけかぐったりと疲れてしまった一日でした。あのような話で、きちんと役割を果たせたのかどうか自信はないのですが、それよりも、あのころのガキと、いまのガキたちとの出会いが実現したことに感謝したいと思います。ありがとうございました。

※2005年12月17日(金)「志木演説会」(志木市民会館ホールにて)

  • 2004-12-12 09:57:57
  • 「フィールドワーク展」(仮)やります。
「フィールドワーク展」(仮)の計画(予告編)

■日時 2005年2月4日(金)・5日(土)・6日(日) 予定
■場所 某ギャラリー(都内)現在探索中

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【まちを彷徨い、立ち止まり、考える。】

2004年度「場のチカラ プロジェクト」のまとめとして、「フィールドワーク展」を開催します。昨年度はSFCの「卒業制作展(@赤レンガ倉庫)」に出展するかたちをとりましたが、今年度の「卒展」の日程だと調整が難しいので、ギャラリー(都内某所になる見込み)を借りて展示をします。
1年間(あるいは半年間)の成果を“世に問う”ことが重要なので、学期末のレポートを教員が読む…というのではなく、もっと広く「読者(=オーディエンス)」を意識して成果をまとめてもらいます。

■内容
・卒業制作(どのようにカタチにするかは考える必要あり。)
・フィールドワーク(桜木町でのフィールドワークのまとめる:現時点では「ショーケース」「昆虫採集の標本」のイメージ)
・絵手紙(プログ)たち(仮)
・POST
・銀座採集・冬編
・その他いろいろ

※原則として、全員に出展してもらいます。ただし、期間中のシフトその他については一部のメンバーだけで運営可能だと思います。

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