モバイルリサーチについて

リサーチ・キャラバン

フィールドワークという方法は、まちや地域を知るだけではなく、結局のところ、人との関係性をはぐくむというコミュニケーションの問題として理解されることが重要です。そして、じぶんを取りまく環境が、(いろいろな意味で)「不完全」だという認識が、旅への欲求になり、人に会うための動機づけになるのです。

map.jpg モバイルリサーチ(2004-)LinkIcon

あたらしい地域を訪れながら、じぶんの経験として語ることのできるまちや地域を増やすこと(=拡げてゆくこと)。そして、訪れた先で見たこと・感じたことを何らかのかたちで記録し、その記録を流通可能なかたちにしながら、地域に暮らす人びととの関係性をはぐくむこと(=深めてゆくこと)。これらをバランスよくすすめることが、大きな課題となります。幸いなことに、「つながり」が「つながり」を呼び、私たちの「リサーチ・キャラバン(旅する調査)」は、しばらく続きそうです。

おもしろい…の先

リサーチ・キャラバンというやり方は、おもしろい。「よそ者」の視点は重要だ。ポストカードのように手触り感のあるメディアは捨てがたい。…問題は、その先です。たとえば、私たちの活動が、まちを変えたのか。人びとの心に、確実に響くものがあったのか。そのあたりは、いつも考えさせられます。私たちが「設計図」を描いているのであれば、コンペに勝つとか、あるいは目に見えるかたちでまちが変わるとか、成果はわかりやすい評価が可能です。もし仮に、人びとの意識やものの見方に何らかの影響をあたえたとしても、それをとらえることは容易ではありません。

「おもしろいね…」という素朴な反応はあっても、それが、まちにとって、地域コミュニティにとって、意味や必要があるのかという問いには、どうしてもナイーブなこたえになりがちです。とはいえ、いろいろな機会に人と話すたびに、私たちの「キャラバン」が、多少は地域の人びとに影響をあたえているのではないか…ということが、少しずつわかってきました。厳密な意味での因果関係はわからないのですが、たとえば、学生たちの撮った写真、綴った文章が、何かに気づくヒントになっているようです。私たちの活動は、即効薬ではなく、ちょっとした健康法のようなものなのかもしれません。続けていると、じわじわと効いてきて、少しだけ身体が軽くなるような。いずれにせよ、ポストカードでも、小冊子でも、ていねいに実践の記録として残してゆくことが大切なのでしょう。それは、旅をする理由にも、おみやげにもなります。

現在すすめているプロジェクト

エッジを読む

10月からは、「エッジを読む」というテーマで、調査をすすめています。この調査は2008年1月中旬ごろまで継続し、成果は、今年度の卒業制作とともに、「フィールドワーク展Ⅳ」で報告する予定です。詳細については、下記をご覧ください。

フィールドワーク展IVLinkIcon

ORF2007

SFCオープンリサーチフォーラム2007
2007年11月22日(木)〜23日(金・祝)
六本木アカデミーヒルズ40(六本木ヒルズ森タワー40階)


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慶應義塾大学 環境情報学部
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