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いまこそ、サボりを。

学びは、止められない。

令和二年は、私たちの記憶に残る年になるはずです。春先からCOVID-19の影響を受け、学校は大きな変容をせまられることになりました。それは、学校にかぎられたことではなく、家族や地域コミュニティにまでおよぶものです。私たちは、「ステイホーム」という窮屈な毎日を過ごしながら、あらためて時間や空間の使い方、そして人とのかかわり方について考え直すことになりました。
茶慕里高等学校では、生徒たち、そして教員・スタッフの安全と健康を重視し、いち早く「完全オンライン」を目指しました。幸いなことに、意欲的な教員・スタッフのおかげで、無事に授業をすすめることができています。
いっぽう、私たちは「完全オンライン」への移行によって、大切なことが失われてしまうのではないかという危機感をおぼえるようになりました。それは、「間(ま)」のゆくえです。オンライン化は、たしかに便利なのですが、効率性という価値をいままで以上に際立たせ、私たちの日常から曖昧な時間、すき間のひとときを奪っていくのではないか。それは、茶慕里高等学校の理念を揺るがしかねない事態なのです。
 
大人たちは、いま学校で過ごしている若者たちを、いずれ無責任にも「コロナ世代」などと呼ぶことになるかもしれません。学校という現場では、生徒たちはもちろんのこと、教員やスタッフも、悩んだり苦しんだりしながら過ごしています。ちいさな発見も工夫も、たくさんあります。それは、私たちが「問題とともに生きる」ための逞しさにつながるはずです。
現場を見ることなく、ラベルを貼ろうとする大人たちに対抗するために、私たちは想像力を研くのです。想像力は、多様性を受け容れる寛容な気持ちの源泉です。もはや、対抗する必要さえありません。無遠慮な大人たちを、あっけらかんと笑いとばしましょう。
 
慶應義塾大学SFCでは、キャンパス内にある“鴨池”を眺めながら、友だちと語らうことを「カモる」と呼んでいるそうです。茶慕里高等学校では、どこにいても、どんなときでも、空想の翼を羽ばたかせ、自由に広い世界を飛び回ることを「サボる」と呼んでいます。
そうです。私たちには、のびやかな想像力がある。だから、私たちの学びは止まらない、いや、止められないのです。
 

2020年 秋
加藤 文俊
 

どんなときも、さぼりは、みなさんの味方です。愉快な先生たちと元気に学びましょう。

校長|加藤 文俊(Fumitoshi Kato)