プロフィール

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最近の関心

fk_090215.jpg加藤文俊(かとうふみとし)慶應義塾大学環境情報学部准教授+大学院政策・メディア研究科委員近年のケータイの受容・普及はめざましく、いまや「通話」から「通信」のための装置として私たちの日常生活に浸透しています。ケータイは身体の拡張として機能し、さまざまなデータや情報がケータイの「メモリ」として蓄積されるようになりました。なかでも付加機能としてのカメラは、あたらしいタイプの写真、および写真撮影の実践を生み出しつつあります。写真の撮影、送受信(MMS)、ウェブ等での公開がきわめて容易となり、カメラ付きケータイは、手軽なデジタルカメラとして、われわれの日常生活の出来事を記録・蓄積し、“絶え間なき交信”のなかで「生活記録(life document)」を生成し続けています。

また、マーケティング等の分野を中心に、カメラ付きケータイを活用した「モバイルリサーチ」の可能性が注目されています。加藤研究室では、2002年秋ごろから、フィールドワークをはじめとする定性的な社会調査法において、カメラ付きケータイの活用を試みてきました。地域コミュニティの資源を評価・再評価することは、まちづくりやコミュニティ・マネジメントの問題のみならず、われわれが“生活者”として共有する「社会的記憶」や「パブリック・ヒストリー」の問題,さらには魅力のある“場(場所)”の要件を考える上で、きわめて重要です。また、コミュニティにおける問題を多面的に理解し、コミュニティの成員間で共有するための仕組みづくりや学習環境のデザイン(体験学習のプログラム化等)に貢献しうると考えられます。

20091029235733.jpg『キャンプ論:あたらしいフィールドワーク』慶應義塾大学出版会(2009)最近すすめているプロジェクトは、カメラ付きケータイをはじめとするモバイルメディアを、質的調査、とりわけ地域コミュニティの評価・再評価のためのデバイスとして活用する試みで、最初のケースとして柴又(東京都葛飾区)においてカメラ付きケータイを活用したフィールド調査を実施しました(2004年11月および2005年4月)。近年、地域づくりのためのひとつの方法としてフィルム・コミッションの試みがありますが、葛飾柴又では、すでに20数年前から地域が一体となって「寅さん」の映画づくりに関わってきました。その意味で、映画によって地域コミュニティのイメージが構成・維持されてきたのです。シリーズの主人公である渥美清氏が 1996年に他界し、シリーズが終了して以来、柴又を訪れる観光客の数は徐々に減少しているといいます。こうした現状をふまえ、地域コミュニティの持つさまざまな資源を評価・再評価し、地域のアイデンティティを再確認することが求められていました。私たちは、建築や都市計画・地域開発という立場ではなく、もっぱら社会学的な観点から ---- 生活者(観光客)の立場で ---- フィールド調査をおこないました。

本プロジェクトは、地域コミュニティに偏在するさまざまな「グッドプレイス(good place)」を発見・再発見する試みで、その成果はポストカードやまち歩きの音声ガイド(ポッドキャスト)、電車の中吊り広告、CM映像などのフォーマットでまとめ、地域で配布・流通させることを考えています。
カメラ付きケータイをはじめとするさまざまなモバイル機器を活用した社会調査法の開発をすすめながら、金沢(石川県金沢市)(2005年12月および2006年5月)、湘南エリア(神奈川県・江ノ電沿線)(2007年4〜7月)、坂出(香川県坂出市)(2006年12月および2007年8月)、函館市電沿線(北海道函館市)(2007年9月)、宇宿(鹿児島県鹿児島市)(2008年5月)、佐原(千葉県香取市)、豊橋市電沿線(愛知県豊橋市)、小諸(長野県小諸市)、家島(兵庫県姫路市)でも同様の調査を実施し、その可能性をさぐっています。

■ 期待される成果: まちづくりゲームの開発、生活者の行動調査(エスノグラフィー)、あたらしい地域メディアのデザイン、コミュニティ・マネジメント、教材開発/ワークショップのデザインと運営
■ キーワード: コミュニケーション;ケータイ;コミュニティ;生活者調査;フィールドワーク

学位

  • Ph.D.(Communication, ラトガース大学)
  • M.A.(Communication, ペンシルヴァニア大学)
  • 経済学修士(経済政策専攻, 慶應義塾大学)

学歴

  • 慶應義塾大学経済学部卒業
  • 慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了
  • ペンシルヴァニア大学・アンネンバーグコミュニケーション研究所(Annenberg School for Communication), M.A. プログラム修了
  • ラトガース大学大学院・コミュニケーション研究科(SCILS, School of Communication, Information, and Library Studies), Ph. D. 課程修了

職歴

  • パロアルト研究所(PARC) 訪問研究員(2006年7月〜2006年9月:2006年度春学期「特別研究期間」)
  • 慶應義塾大学大学院 政策メディア研究科委員(2002年4月〜)
  • 慶應義塾大学・環境情報学部 准教授(2007年4月〜)
  • 慶應義塾大学・環境情報学部 助教授(2001年4月〜2007年3月)
  • 龍谷大学・国際文化学部 非常勤講師(2001年4月〜2003年3月)
  • 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 非常勤講師(2000年4月〜2001年3月)
  • 龍谷大学・国際文化学部 助教授(2000年4月〜2001年3月)
  • 龍谷大学・国際文化学部 講師(1997年4月〜2000年3月)
  • 慶應義塾大学・環境情報学部 助手(1993年9月〜1997年3月)

学外における活動

  • アーク都市塾:プログラムファシリテーターコース コース指導(第31期 2003年10月〜2004年3月)
  • アーク都市塾:プログラムファシリテーターコース コース指導(第30期 2003年5月〜9月)
  • アーク都市塾:プログラムファシリテーターコース コース指導(第29期 2002年10月〜2003年3月)
  • アーク都市塾:プログラムファシリテーターコース コース指導(第28期 2002年5月〜9月)
  • 第34回国際シミュレーション&ゲーミング学会大会(ISAGA2003) 組織委員会委員、事務局長、総務部会長
  • 情報通信学会 評議員(2008年7月〜)
  • 情報通信学会 評議員(2006年7月〜2008年6月)
  • 日本シミュレーション&ゲーミング学会 理事(第10期 2007年4月〜)
  • 日本シミュレーション&ゲーミング学会 副会長(運営委員長)、理事(第9期 2005年4月〜2007年3月)
  • 日本シミュレーション&ゲーミング学会 副会長(学術委員長)、理事(第8期 2003年4月〜2005年3月)
  • 日本シミュレーション&ゲーミング学会 副会長(運営委員長、ISAGA2003事務局長)、理事(第7期 2001年4月〜2003年3月)
  • 日本シミュレーション&ゲーミング学会 副会長(運営委員長、ニューズレター編集委員長、事務局長)、理事(第6期 1999年4月〜2001年3月)
  • 京都府IT推進専門家会議 委員(2001年6月〜9月)
  • (社)私立大学情報教育協会、教育情報化フォーラム運営委員(2002年4月〜2004年3月)
  • (社)私立大学情報教育協会、教育情報化フォーラム運営委員(2000年4月〜2002年3月)
  • (社)私立大学情報教育協会、情報教育問題フォーラム運営委員(1998年4月〜2000年3月)
  • 岐阜県地方自治大学校・「若手地域プランナー育成講座」 講師(1998年5月〜1999年2月)
  • 岐阜県地方自治大学校・「若手地域プランナー育成講座」 講師(1997年5月〜1998年2月)