DSCF0540.JPG

WSMA-02

加藤研究室では、2004年の秋ごろから、全国のさまざまなまちでフィールドワークをおこない、滞在中に現場で何らかの成果物をつくる「キャンプ」という実践をすすめてきました。それは、まちで出会った人びとの日常生活に触れ、簡単な取材をとおして感じたことを、ポストカード、ビデオクリップ、音声コンテンツ、ポスター、かわら版などの「ちいさなメディア」としてまとめる試みです。

昨年のオープンリサーチフォーラム(ORF2014)では、「移動編集室(モバイル プレスルーム)」というタイトルで展示をおこないました。「移動編集室」は、フィールドワークの現場に一時的につくられるメディアづくりの場所です。たとえば、スマートフォンがあるだけで、ラジオのような「実況中継」ができます。今年は、「爽やかな解散」というテーマのもとで「移動編集室」を再考し、トランクひとつで出かけられるようにバージョンアップをすすめています。まちかどでトランクをひらいて、道行く人に声をかけながら、まちのようすを中継する、ちいさなスタジオです。

即興的にスタジオをつくるので、人びとの感想やアドバイスも、すぐに返ってきます。不特定多数ではなく、特定少数のリスナーの顔を想い浮かべながら情報を編纂するプロセスは、人と人とのコミュニケーションやメディアの役割について考える、貴重な体験をもたらすはずです。現在、湘南台駅界隈の路上で実験をおこなっています。

wt3_prev.gif

wt3_next.gif